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●Total Eclipse −アンタルヤ(Paradise
Valley)− (トルコ)
皆既日食パーティーに出発。(皆既日食パーティ)
皆既日食まで、あと3日という日。
出発の朝になって、当日からサマータイムで1時間前倒しの時刻になっていると気付いた。そう、バスの出発は9時と聞いていたが、私たちが起きた時刻は7時のつもりだったが既に8時を回っていたのだ。トルコだから、時間通りに出発しないだろうと予想は出来るものの、やはり気はせいてしまう。
ゲンキくんとリョウゴくんは、昨夜に気付いたらしくパッキングも済ませ、既にのんびり朝食をとったりしている。他の人は未だに気付いていないか、慌てているかのどちらかのようだ。
ケンさんたちに知らせに行くと、やはりのんびりと朝食中だった。彼らも慌ててパッキング。もう急がないとと、パーティ前の慌しさだ。
中型のバスがやって来た。Lazer Pansiyonにはたくさんの日本人が集まっている。ごく稀に日本人の友人など、数名の白人も混じっているが、ほぼ全てが日本人というのは異様な感じもする。
1台目のバスが来るなり、まずは荷物を載せてしまう。自分の荷物、マユの荷物、ケンさんたちの荷物。そして、まだまだ席に余裕があると見てゲンキくんたちにも声を掛ける。
バスの席に余裕が無いと思った多くの客は、素直に外で待っているばかりだ。Lazerに1番長く泊まっていたリョウくんたちも呼ぶ。そう、車内の9割以上は知り合いといった有様。なかなか楽しげな出発なのだ。
テントやら食材、鍋、あらゆる荷物が混乱のままに載せられ、バスは出発する。
しかし、路上駐車されている多くのレンタカーなどが邪魔だ。バスはなかなか角を曲がれない。ガツッ、ああぁ〜後ろの方がぶつかったらしい。しかし、そのまま何とか角を曲がりきりようやくに出発。
主催者側でバスの認識について混乱などもあり、途中で止められそうになったりと面倒もあった。やはり日本のようには順調に行かない。まぁ、それがグローバル・スタンダードだろうか。
チケットオフィスは、会場の入口からずっと遠い変な場所にあった。私たちはチケットを持っていないので、ここで購入する。200USドル(約23,500円)。180ユーロ(約26,000円)覚悟していた私たちにとっては、少し安くなってラッキーだ。リラで払うこともできるようだったが、USドル払いが1番安かったようだ。
それにしても、トルコではUSドルやユーロがそのまま使えたりするし、ATMからも直接に引き出せる。まさにヨーロッパの入口と感じられる。物価も高いしなぁ〜。
チケットオフィスは、パーティが始まる期待感もあって、妙に浮ついた雰囲気がある。自分の心が、視界に反映されているからか、何だかテンションが高まっている。
パーティという非日常と、皆既日食という非日常、想像できないもののそのミックスの凄さだけを思い浮かべてその瞬間を待つ。
リストバンドを手に入れ、タイムテーブルを見る。
はっきり言って、私は誰が音を鳴らすかをそれほど気にしない。少しはDJを気にする気もあるのだが、往々にして"それどころではなくなる"自分を知っているのだ。その時々に、自分が必要とする音に近い音楽が鳴っていさえすれば満足する。
耕運機のような乗り物乗せられて、ゲンキくんたちがパーティ会場に向けて去って行く。私たちはリストバンド待ちのケンさんたちを待ったり、荷物を整理したりして次の乗り物を待つ。
しかし、待てども待てども次の乗り物はやってこない。待つ人ばかり増えて行く有様だ。全く・・・私たちの乗ってきたバスは既に帰ってしまったが、会場の入口まで行くバスもあるようだ。そういうバスで来れば良かった。いや、むしろ会場の入口まで10km以上もあるのに、こんなところで置いていかれるなんて・・・。
仕方がないのでタクシーで会場に向かったが、予想外に道が荒れていたためか、距離があったためか、運転手は相当に荒れていた。何だか機嫌のよく無い運転手のタクシーに乗るのは、良くないバイブレーションが伝わってきて良くない。
●テント設営と大粒の雹。(皆既日食パーティ)
会場はどこもぬかるんでいる。
荷物を担ぎつつ、どこにテントを張るか悩む。目星はつけていた。アンビエントのかかるチルアウト会場付近だ。そこからならメインステージにも簡単に行けるし、水場やトイレ、川も近い。
しかし、どこもドロドロにぬかるんでいるので、雨が降ったときのことを考えると少しでも水はけの良い高い場所が良さそうだ。
ケンさんたちが場所を決め、うむうむ、と皆で納得しながらテントを張る。私たちは、直前に買った2人用の小さな銀色のテントを貼る。
私たちのために、ケンさんの友人のあっちゃんがテントを持ってきてくれていたのだが、それはテントのないエリちゃんが使うこととなった。
そんなことをのんびり進めていたのだが、もっと急ぐべきだった。
大雨が突然のように降ってきて、まだ置いたままの荷物に襲ってきたのだ。大慌てでテントを建てたりと、右往左往する。まさにツイテいない始まりだ・・・。でも、今この瞬間に会場に付いた人たちに比べればかなりツイテいる。そう考えて、手際よくテントに逃げ込んだ。
近くでテントを張っていたゲンキくんとリョウゴくんたちのダンボールは、ビショビショになってしまったようだ。かわいそうだ・・・。
テントを設営し、落ち着いてから分かったのだが、ガスバーナーを宿に忘れた。あまりに荷物が多すぎて確認すらできなかったことや、急いでいた為だろう。情け無い・・・、せっかく山のような食材があるのに、今日は手の込んだ料理はできそうもない。小さなコンロでまずはチャイを入れるのだった。
まだ日食まで2日もある。
翌日に目覚めると、ダラダラとした生活が始まった。どうもまだ皆既日食という実感もなく、パーティが始まることだけを心待ちにしている。皆既日食ってどんなだろう。期待だけがどんどん大きくなるのは、とても不思議だ。
音が始まる時刻の直前に、パーティの開始について話していると大雨が降り出した。私はテントの中にいたので、特に気にすることもなく「早くやまないかなぁ〜」くらいに思っていた。
「うぁ〜!!」
「痛っ!!」
「寒い〜」
叫び声が聞こえる。
(何だ、なんだ!?)
気になって外に頭を出して驚いた。大量の大きな雹(ひょう)が、視界一杯に降り注ぎ、地面は氷で覆われているのだ。動くに動けなくなったマユやケンさんたちは、テントのフードの下で隠れるように小さくなっている。
(ああ・・・、早くやんでくれないと地面がまたぬかるんじゃうよ。)
そんな風な心配は、まだまだ現実と比べると甘かった。
テントの下に水が溜まりだし、ウォーターベッドのように揺れ出す。周囲のテントは徐々に水没し、悲惨な難民キャンプのように様相が変わっていく。
幾分高い場所に建てていた私たちのテントも、右奥が水に浸かってしまった。叫んだり慌てたりしながら、テントを引っ越している姿も見える。ゲンキ君たちのテントも水没してしまったようで、そのまま引越しをしている。
Lazer で出会ったタクさんたちのテントは、多少高いところに張られていて、周囲では1番安全な場所だ。まわりの混乱を眺めつつ、大変だなぁ〜とボーッとしている。
テントの周りには、水が掘られているものの、どうも流れが悪い。
仕方がないので自分で溝を掘り、溜まった水を流し始める。はっきり言って泥遊び(?)が好きな私は、かなりハマった。寒い中、しばらく汗を流しながら作業をしたのは、後々で考えると失敗だった。
ただ、その時は、満足感と共にどんどん水が流れて行き、
(こういうのが、自分の為 and 皆の為 を両立した行為なんだなぁ〜。)
なんてアホなことを考えてもいたのだ。
ちなみに、私たちの周囲では、こういった新しい溝によって大方の水は流された。その他の場所では、数日経ってもドロドロの水溜りが残り、多くのパーティー客がぬかるみに捕まって被害を受けていた。気分よく歩いてきた感じの人が、大の字になって泥に転んだりする様は、見ていてとても気の毒だ。そして、自分だけはそうはなりたくないという姿でもあった。
こうして、雨と泥の会場で、不十分なトイレと、寒い水シャワーの生活と言うパーティ生活は始まるのだった。
ところで、パーティの開幕だが、メイン会場の支えの支柱が2本曲がってしまったらしく、メインはしばらく使えないという状態で遅れていた。サブ会場で何とか開始ということになったが、会場のコンディションはまさに最悪と言う出発。これ以上は悪くならないという幕開け。
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